建築家W・M・ヴォーリスによるミッション建築が西宮にあります。
関西学院大学・神戸女学院ともにスパニッシュミッション様式で、美しい模様を施された建物が華やかさを醸し出しています。関西学院大学は甲山をバックに明るい色調の南欧を思わせる時計台が迎えてくれます。昭和の初めに原田の森(王子公園)から移転した際、中央芝生を中心に設計されたスパニッシュミッション形式のキャンパスです。関西学院のシンボルである時計台は、元は図書館でしたが、現在は学院史編纂室などとして活用されています。一部地下一階の二階建てコンクリート造り。なお戦後に両翼部分が増築されました。神戸女学院は岡田山キャンパスへ移転したのが1933(昭和8)年。ヴォーリズは日頃から「学舎が学生を教育する」と語りました。彼は瓦や手すりのデザインに至るまで細かく指示しましたが、他方、廊下や教室の片隅に「あそび」のスペースを用意し、学生・教職員の参加意識を引き出そうとしたと言われます。このキャンパスは、受け身ではない、自発的な学びを組み立てるよう造られています。